レモンエロウ
『檸檬』
高校の教科書で読んで衝撃を受けた作品。
普段聞かない言葉と難しい漢字がたくさん使われているのに、その独特な表現の中で風景や色彩が鮮明に想像できるのが不思議だった。びいどろを嘗めてみるのが好きだみたいなのとか。そんなの経験したことはないけど、なんとなくきれいな物を前にして心が躍るような感情が想像できたり。
八百屋の外観も「驟雨」「絢爛」みたいな普段到底使わない言葉をたくさん使って表現している一方で、廂を帽子に例えるところはすこしコミカルで面白い。このバランスが気分の浮き沈みに似ているのかもしれない。
それから本屋に檸檬を置いて去るシーン。ここでの妄想はびいどろの話と同じで、自分では思いつかない。それなのに、想像してみると自分の気持ちも同時にスカッとするのがまた不思議で、癖になる。初めて読んだときからこの感覚がすごく好きになった。
今回読んでいるのは『檸檬』を含めて14篇収録の角川文庫のもの。
購入当時、店頭に並ぶ表紙に惹かれて購入。てぬぐいブランドの「かまわぬ」とのコラボの装丁らしい。ほかにもいろいろあったけど、同じく教科書で一部だけ読んだ夏目漱石の『こゝろ』を一緒に購入した。たくさん集めたくなる、本当にかわいい。
実はまだ読みかけ。
最初の『檸檬』を久しぶりに読んで、やっぱり面白いなあと感動したので衝動的にいろいろ書いてみた。